夜明けの空

―カウンセリングスクール日記―
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赤貧洗うが如し

 赤貧洗うが如し、の意味は
何も彼(か)も洗い流したように
一物もないこと、とあるが

確かに裏長屋の人たちの暮らしは
一間きりの部屋のなかには何もありはしなかった。

そして売るべき女の子を持たない人たちは

いったいどんな暮らしをしていたかといえば
それは元手のいらない商いであったらしい。

即ち(すなわち)、川に入ってしじみ、あさり、
川底に這う(はう)青海苔を採る人、

また田圃(たんぼ)に入ってうなぎ、たにしを取る人、

いずれも仕掛けを必要とせず、
簡単なざるなどで採取できるので、

長屋の住人にとっては壁土の藁などを口に入れるよりは
はるかにあてになる仕事だったというべきだろう。

ただし、厳寒に素足で水に浸るのは
拷問に等しい苦しみであったに違いない。

朝、しらじら明けにざるをかついで
「しじみエー、あさりエー」
と売りに来るおばさんの手足は、

まるでクレヨンでも塗ってあるかと思うほど
いつもまっかで、
そして大きなあかぎれがぱっくりと口をあけていたことを
思い出すのである。

     ―宮尾登美子「生きてゆく力」海竜社―

昭和初年の恐慌のころの話だそうですが
この本を読んで
今の暮らしの楽さを考えました。

水は蛇口をひねるだけで出てくるし

冷蔵庫があるので
昼間から井戸につるしておかなくても
物を冷やすことができます。

なにより、3度の食事を心配しなくてすむ

私は、寒がりなので
「厳寒に水に触れる」という苦行はとても想像できません。

夏は涼しく、冬は暖かい
温室のような職場で働けることに

自由に生きられることに改めて感謝し
今のぜいたくさをちょっぴり反省したのです。
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